それからどうするPart55

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それからどうするPart59

Part55-Part59
バタバタというでかい音がしたと思って見上げると
チヌークが2機飛んできた。どうやら今度は自衛隊らしい。
台地の上空にくると高度を下げはじめたと思うや
次々と隊員が降下してくる。おー日本の自衛隊もやるなー。
我々は手を叩いてその様子を見ていた。
「おい、あいつら銃を持っているぞ、大丈夫か?」
「しかし自衛隊とやりあうわけにはいかんなー」
地面に降りるや散開し辺りを窺いながら慎重に進んでくる。
「センセイ、ここにバリアをめぐらせろ」
実戦経験が無いのか、我々を見つけると早くも発砲
してきた。海外に出ると交戦規定とやらで遠慮するくせに
ふざけた奴らだ。
「ちょっと脅かしてやれ」と私はマンガに伝えた。
マンガは得意の震動波を彼らに送った。
すると地面が強烈に上下した。隊員達は転げまわっている。
ついに白旗をあげ何か叫んでいる。
「弱虫だな、もう降参か、面白くないな」
「昔の軍隊と比べてはいかんよ、奴らはお役人だ」
「仕方ない、ワシが話そう」
「あー君たち、ご苦労さん。ところでワシらに何か用かな?」
「てっ、抵抗をやめろ!」
「あんたら、白旗をあげたのを忘れたのか?」
「ワシらは何もせんよ。普通の村民だ。もう物騒な銃を
降ろしたらどうだね」
「お前、いや君たちは何者で何をしている!」
「困った人たちだな。帰って政府のお偉方に近々おじゃま
すると伝えなさい」
イケが帰るように思念を送ると兵隊たちは踵をかえし
チヌークで帰って行った。
私は首相官邸の総理の寝室にいる。
「阿部屋首相!」私は首相の耳元で囁いた。
「何! 誰!どうやってここに入ったんだ。警備員がいただろう」
「ご心配なく。私はただの年寄りです。あなたに危害を
与える事はありません」見れば風采の上がらない年寄である。
「ではどうやって部屋に入ったか教えてくれ」
「なあに、私には簡単なことですよ。でも言っても信じられない
でしょうが」
「では何の為に忍び込んで来たんだ」
「忍び込んだのではなく、堂々と玄関から入ってきましたよ」
「私は首相に助言したいのです。聞いて損はしませんよ」
「貴方の努力にもかかわらずGDPはぱっとしませんな」
「それを私が20% に上げてさしあげましょう」
「何を馬鹿な!」
「信じられないのは承知の上で言っています」
「貴方の真摯な努力、そしてその人徳には日頃感服しております」
「中国の習主席からは無礼な知らんぷり」
「トランプ大統領からはオカマの様な目付きをされたり
大変ですなあ首相という仕事は」
「解ってくれるかい、そうなんだ。マスコミや野党は私が卑屈な
外交をしていると批判するんだ。こんなに懸命にやってるのに」
「私は貴方の志を理解してますよ。支持率は60%を維持して
ますしね。しかし結果が努力と結びつかないのはよくあることです」
「アヘヤミックスも此のところ目立ちませんね。そこで私が
出てきたのです。私は****村の住人です」
「私には現代人が理解できない力を持っています」
「南沙諸島の基地壊滅、恨国の大雨被害、そして
****村の中国コマンドの焼死等は私たちがやった事です」
「誰かと思ったがあれは君たちのせいか・・・」
「あの力は大した事ではないのです。首相に無償でプレゼント
するのは無限のエネルギーです」
「??」
「水を電気分解ではなく、チャポンと入れるだけで水素と酸素に
分解する触媒を提供します」
「これです」私は何の変哲もないボールを手渡した。
「これで国内一か月分消費する石油の代りになります。
但し、分解しようとしても無駄ですよ。現代人には理解
出来ないものですから」
「試しにバケツで試して次に学者や技術者を呼んで
証明されたら大規模な設備を建てればいいでしょう」
「これをくれるのかい」
「そうです。設備が出来上がれはいくらでも提供します」
「そうすると・・・・うー・・・石油がいらんとなると・・・
イヒヒ・・・」首相は少し気持ちの悪い顔で笑った。
日本のエネルギー自給率はわずか6%だそうである。
つまり発電、車両等のエネルギー源はほとんど海外に
依存していることになる。
原油、LNGの輸入量は膨大であり価格も不安定という
状況にある。もしこれらの輸入が必要なくなれば、電気事業は
効率化されこれまでの1/10以下の価格になり、国内の全ての
事業にとって大きな追い風になるはずだ。家庭においても
電気代が1/10となればわが阿部屋内閣の支持率は・・・
ウシシ・・・ということで大統領令並みの強硬策で水分解施設
は介護施設並みにバンバン建造された。
原油やLNG輸入が減った代わりに水素ガスの輸出が徐々に
増えてきている。我が国はエネルギー輸出国になったのだ。
このところ阿部屋首相の鼻息は荒い。以前のにやけた顔は
引き締まり田中角栄のような大きな事を連発している。
「皆さん、いまや私のおかげ・・いやわが党の積極的な
政策でGDPは・・・・・あなたとはとは違うんです」あれ、これ前の
首相が言ったんじゃ?あの時は捨て台詞だったが。
これに対し野党は沈黙するしかない。
まあそこまでは良かったのだが
日本が水分解技術を独占しているのはけしからん
という国が出てきた。文句ばかり云うあの米国である。
トランプ大統領はせんのニコニコ顔から鬼の様な顔に
なって技術をよこせと脅しをかけてきた。
これに対し「日本の開発した技術をタダでよこせとは理不尽
極まりない。その代り適正な価格でH2は提供して
いるではないか」と首相は猛烈に反発した。
これは我々が米国が無茶な事を云ってくるだろうけど
安心しなさい。例えば日米安保条約破棄とかね・・・
と前もって首相に伝えておいたからだ。
思わぬ日本の反発に全ての関税を60%に上げると
大統領は脅したが返事はNOだった。
切れてしまった大統領は安保条約の破棄という大統領令
を発した。それは両院も黙認した。
ついに日本の駐留している軍と家族は一斉に引き揚げを
始めた。野党は大喜びでどうするんだと責任を追及するが
首相は平気な顔を保っている。しかし内心は不安で
いっぱいだった。
「何を心配しているんです。中国が報復してくることですか?」
「なら心配いりません。おそらく尖閣を取りにくるでしょうが
我々が完璧に対処しますから」
「うー・・・そうか。でも艦隊の他にミサイルや戦闘機もやって
くるかも・・・」
「それも大丈夫です。それに面白い事が起こるかもしれません」
「うぉー、来た,来た、やって来たぞ!」Aは大喜びしている。
尖閣列島に漁船と称する軍船とそれを守る軍艦がやってきた。
南沙諸島では南海艦隊が壊滅したので、今回は北海艦隊と
東海艦隊を出してきた。
中華思想という古臭い思想が世界に通用すると彼らは
今だに考えている。中国は世界の中心であり欲しいものは
全て自分のものというジャイアンみたいな思想である。
習主席は国営放送で「南沙諸島の基地を叩いたのは
帝国主義の傀儡である日本だ」とわめいている。
「栄光あるわが軍は不法に占拠されている尖閣諸島を
奪還、解放する行動に出た」
「小日本は大中国の力にひれ伏すであろう・・・」と
大見得をきっている。
米国の庇護を失った日本がどんな手をうつのか世界は
固唾をのんで見守っている。
米国では「大統領、あのままでいいんですか」と側近が
問うがトランプ大統領は「一度痛い目に会えば我が国の
有難さが身にしみるだろう」と冷ややかだった。
ところが最初にやられたのは核ミサイルを積んだ原潜
だった。習主席は前のように海軍が津波にやられた際の
後詰としてミサイル原潜を密かに海域に派遣していた。
以前のように津波による攻撃があれば日本に向かって
核ミサイルを打ち込むつもりだったのだ。
それが定時連絡を全艦がしてこない。肖英虞海軍大将は
青くなった。連絡が無いという事は・・・想像しただけで恐ろしい。
日本めあの原潜が幾らかかったと思っているのだ。
習主席にどう報告すればいいのか判らない、肖英虞は辞任を
覚悟した。しかし被害はそれだけではなかった。
艦隊に攻撃をかけてきた不思議な生き物があった。
それは超スピードでやってきて艦隊を次々に破壊していった。
更に本土から飛来した戦闘機をバタバタと撃ち落としていく。
最後にそいつは「ギャーギャー」と品のない声で鳴くと
何処かに飛んで行った。
その様子は全世界のマスメディアに送られ放送された。
中国の面子は丸潰れであるがどうすることもできない。
習主席は青くなった。中国政府は自分から仕掛けたのにも
関わらず日本に抗議してきた。
いつもなら過剰に反応する日本が
「尖閣諸島は日本の領土ではあるが、中国に対する攻撃に
我々自衛隊は関与していない」と外務省はしらっと通知した
だけだった。
世界は大騒ぎしている。
「評判の良くない中国がやられたのは溜飲の下がる思い」
とか「日本にはゴジラのほかにも怪獣がいるのか・・」と
羨ましがっている。
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