それからどうするPart38

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それからどうするPart42

それからどうするPart43

中国は国民の不満を逸らす目的で尖閣列島に
民兵漁船を派遣しそれを守るという口実で自慢の
空母遼寧を含む攻撃部隊を送り出してきた。
何にも無い島に漁民と軍隊は上陸し国旗を打ち
立て、その映像を国営放送を大々的に放映した。
金に汚い国民も領土が戻ったと大騒ぎし不満も
解消したかにみえた。さらに中国政府は戦勝記念
パレードを実施した。習主席は得意満面で演説した
「米国の手先である小日本から尖閣を取り戻した事は
革命の前進である・・・・・」
その時尖閣列島周辺では恐ろしい揺れに襲われた。
偶然にすればすごい確率で起こった地震である。
自信満々で乗り込んで来た艦隊は壊滅した。遼寧は
大破し辛うじて逃げ帰った。この映像は世界に
送信された。習主席は頭を抱えたままだ。
消去法でいくと怪しい国は絞られてくる。
今回の中国安全部のハッカー本部を破壊したのは
誰か。中国は米国CIAがやったと非難するが、
米国は何も関わっていないのだから最も怪しいのは
ロシアである。しかしまだ証拠は掴んでいない。
尖閣諸島に派遣した中国艦隊を壊滅させたのは
地震による津波だが、自然災害にしてはあまりに
タイミングが良すぎる。
ということは日本か? しかしあの腑抜けな日本が
そこまでやるか?またその様な能力は無かろう。
あれば日米安全保障条約など要らないのだから。
ともかくロシアや日本の情報を徹底して調べ上げろ
と国防省は命じた。
もちろんエシュロンやプリズムによる傍受はもちろん
予算を大幅に増やし人海作戦も厭わないらしい。
ハローワークから電話が入った。
就職希望者を紹介したいのだが・・・ということである。
はて、何処からこの会社の事をしらべたのだろう。
ハローワーク等に登録した覚えはないのだ。
「当社はあいにく現在一杯でございまして、ご希望に
添えないとおもいます」
「面接だけでもいいんです。お願いします」 役人に
しては熱心だ。
「やはり上からその様な指示がありますか?」と少し
かまをかけると
「そうなんです。こちらも当惑しているのです」
やはりね、彼はやる気もないが正直者である。
「面接だけでいいなら来てもらって結構です」と返事を
しておいた。断れば尚更変に思われるからだ。
次の日工場を訪れる人がいた。
「はあーい!、コンニチワ」
「おい、何か言ってるぞ、俺は英語が苦手なんだ」
「馬鹿! ちゃんと日本語を話しているじゃないか」
いきなり浅黒い大男達が訪れて大騒ぎしている。
「私はホセです。ハローワークから来ましたです」
「何! うちで働きたいてのはあんたかい」
「そうです。大丈夫です頑張ります」
一緒にいるのは奥さんと娘さんらしい。
「それで奥さんも働きたいのかね?」
「そうです。奥さんは何でもできます」
「ハローワークの話では社員寮があるとか。そこに
女手がないということでした」
「何でハローワークがそこまで知っているんだ?」
「それは私たち知らないね」
「ところで日本語が上手だけど、日本には永いのかい」
「私は奥さんと日本に来ました。この娘は日本で
生まれました。かれこれ7年になります」 「ふむ、ふむ」
「おーい、社長、どうするんだ」
「イケ、この連中の頭の中を探査しろ」と小声でいう。
「この人は誰かに雇われています。使用人の仕事を
しながら不審な点があれば報告するよう言われている」
「やはりな。それなら追い返すのはちょっとまずいな」
「イケ、お前はこの人を洗脳しておけ」
「あんたら、住まいはどうするんだ。うちの社員寮に
住みたいのか」
「それが一番いいと私たちも思ってました」
「まあいいか」
6人の重役会議は社員を2人増やす事に決定した。
就職が決まったブラジル人夫婦にはボチボチやってくれと
それなりの仕事を与えている。製造部部長のセンセイが
張り切って指導している。奥さんには会社周辺の掃除と
寮のまかないを担当してもらっているが、今のところ
問題は発生していない。
女の子は活発で村?中を走りまわっている。
「そろそろ学校の事も考えないといけないんじゃないか」
「あのでかいのは何も考えていないようだぜ」
「何処かから何か言われる前に役場に行ってこよう」
「その前に自治会長に連絡してPTAを紹介してもらおう」
「あの爺さんを引き込むのはどうかな?」
「少しは役立ってもらわんとな」
自治会長が張り切ったお陰か、なるようになるもので
無事地元の小学校に入学できたのだ。
日本語を喋れるから心配しなかったが勉強はなんとか
ついていけているようだ。
「友達ができた!」と女の子は喜んでいる。
まともに稼働していない名前だけの企業でも何故か
消防署や安全保安協会、ボイラー協会などが
やって来て小うるさい事を並べていく。
それでも帰るときにはイケに洗脳されて帰っていく。
「そろそろ商品の販売に力を入れるか」
「毎日工場が止まっていてはおかしかろう」
「しかし在り来たりの発電シートだろう。売れるかな?」
「その事でしたら新しい機能を組み込んだ製品に
する予定です。それは夜でも発電します」
「何じゃ、それは太陽光発電とは言わんぞ」
「名前は適当につけてください」
「地球には宇宙からの粒子が夜でも、雨の日でも
降り注いでいます」 「はあ、はあ」
「それを利用するのです。粒子自体は不活性ですが
シートにある物質を練りこむと衝突した際に大きな
エネルギーが生じます」
「解らん、テツ、お前わかるか?」 「全然?」
「工場の屋上にでも敷いて確認してください」
「発電能力は一般の物の1.5倍くらいにします」
「あまり売れても困るからな」
「真似のできない技術ですが特許だけは申請
しておきましょう」
発電シートの商取引に介しては商社が受け持つことに
なった。抄子によると以前から知っている会社だそうだ。
さて、この抄子だが不思議なことにAが突然いなくなると
代わりにやって来たことだ。それに我々を勝手にアゴで
使っている。私はこの女に違和感を持っていた。
面倒だからこれまで質さなかったのだが、そろそろ
聞いてみようか。
「おい、抄子お前はどういう素性の人間なんだ?」
「あら、言ってなかったかしら」 ととぼける。
「今度は隠し立て無しだぞ」
「そうね、もうそろそろ言ってもいいかも。それじゃあ
呼び出すわ」
「誰を?」
「貴方の良く知っている人よ」  「なぬ!」
「その人に会ったら全て分かるわよ」
そしてそいつがやって来た。でかい男だ。
この寒いのに半袖のシャツを着ている。
すると男はやけに馴れ馴れしく口を開いた。
「やあ、教祖元気だったかい」
「ぬー、わしは社長の内山だがお会いしたことが
ありましたかな?」
「そうか、分からないか。俺だよAだ」 「ぎぇー!」
「するとお前はそいつに憑りついたのか」
「私は機械人間だ。そしてその頭脳部分にいる」
「はあー、はあー?」
「抄子の手助けする為にやって来たんだ」
「んだ〜? お前この寒いのにそんな恰好で
変に思われなかったか」
「たしかにジロジロ見られたな。寒暖を感じる
なんて人間は不便だな」
そしてよく見ると一匹の犬が愛想よく尾を振っている。
「こいつは匂いのスペシャリストだ」
「相手や周囲の匂いから何でも判断できる」
「犬ならたいていそうだろうが」
「もう一つの特技は病気の治療だ」
私は頭が混乱してきた。
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