悪戯 2008/08/19

半村良の小説の「黄金伝説」の中で広島
炭屋のオヤジが登場する。
戦後間もない頃バラックの様な家に住んでいた
子供の頃と妙にかぶさるので
不思議だった。悪ガキ連中とリヤカーの氷を悪戯し
炭屋のオヤジに大目玉をくらったのを思い出した。
このオヤジが大男だが普段は優しく面倒見のよい人で
市会議員に推薦立候補した。選挙で近所をどぶ板回りする
オヤジにバッタリ出会い逃げ腰になったが、この時は
ボッチャンと呼ばれ驚いた。
「黄金伝説は原爆の影響で特異な能力を持つ
ミュータントが生まれるが成長が早過ぎて、これを
世間から隠す為、彼を世話する炭屋のオヤジは
転々と住所を変える。後に頭抜けた能力で古文書から
東北地方の黄金を発見し、それをもとに政界の
フィクサーになるが-------。」という小説です。
時代背景となる戦後の広島に詳しいのはどうやら作者が
広島の代理店に勤務していた事にあるのでしょう。

三丁目の夕日 2009/10/02

映画、三丁目の夕日をみて幼い日の情景が
一瞬よみがえった。
戦後間もない頃、多くの人が貧しく生きていくのも
大変だった。ほとんどの道路は舗装されておらず、
雨が降れば水溜りができる道を馬力の無い薪バスが
黒煙をあげヨタヨタ走る。
今ではしゃれた繁華街があるメインストーリーを
肥桶を積んだ汲み取りのお百姓さんが荷馬車で通る。
そんな時代でも子供は逞しく元気だつた。
覆面の映画のヒーローを真似してチャンバラごっこで
遅くまで家に帰らずオヤジにもらったげんこつが懐かしい。

進駐軍 2009/11/20

急な坂道を進駐軍がかっこいいジープでやってくる。
「ジープだアメリカンだ」と大声で叫びながらみんな
丘に駆け上がる。はじめは緊張したものの、陽気なGIに
何度も会うたびに新密度は増した。何より見たこともない
ガムやチョコレートにはかなわない。サンドイッチを分けて
もらったり、こちらからは野いちごをあげたり小さな
国際親善だった。もっとも大人は複雑な気持ちだったに
ちがいない。

うまとび 2009/12/11

戦後の混乱期から日本が徐々に秩序を取り戻しつつあった
昭和二十年代から三十年(神武景気)頃が私の子供時代です。
アスファルト舗装もコンクリートでもない空き地が街中に
沢山ありました。そこに行けば同じような坊主刈りで
さえない服装の仲間が集まってきます。外遊びの天才達は
そこらの板塀をはがして秘密基地を作ったり、火を熾して
焚き火をしたり大人に怒られる事ばかりやったものです。
原っぱで男の子は馬とび、女の子がゴムとびをしている様子を
描いてみました。

元安川 2008/08/30

また子供の頃の記憶をたどりなから夏の日を描いてみた。
元安川(広島市内を流れる太田川の支流)でよく遊んだ。
春はハゼ釣りやボート漕ぎ、夏は泳いだり、シジミを採ったり、
勉強もせず、一日中遊んでばかり。おやじの拳骨もなつかしい。
水運がまだ盛んで、船が往来し川のあちこちに亀の甲羅のような
突堤があった。対岸の寺町まで往復した後は突堤で甲羅干しを
したものだ。

帰り道 2008/09/01

先日、広島に行った折、子供時代の話で盛り上がった。
夏休みに入ると近くの川で一日中泳いだり、
お城の堀でフナを釣ったりしたが、
特に熱中したのが昆虫採集だった。勉強はできなかったが
2学期に入って夏の成果を持っていき自慢したものだ。
そんな思い出を描いてみようとして頭に浮んだのは
「昆虫採集の帰り道にちょつとした事で喧嘩になり
二人とも口をきかずに気まずい気分で
家路をたどる兄と妹」-----
こんな事があったような無かったような。

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